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謝辞

「皿井さん、ちょっと見てくれませんか。」 確か、野間先生の、この一言から心筋細胞シミュレーションとの付き合いが始まりました。 大学院に入学したときの実験で、 心筋細胞から計測したデータを処理する(野間先生手作りの)プログラムを自分で改良していたのが目にとまったようです。 それ以来、ふと気づくと、ずいぶん時が経ちました。

Kyotoモデルの最初のバージョンが完成に近づくと同時に野間先生が企業の方と会われ、プロジェクトの構想を持たれ、 松岡先生と共に文部科学省、製薬企業、他研究科と、様々な所にプロジェクトへの参加を呼びかけられ、 2003年に、Kyotoモデルの論文が発表されると同時に、プロジェクトが正式に発足し、 情報学研究科・松田研の天野先生や大学院生の方達と共に「細胞・生体機能シミュレータ開発センター」の床下にLANケーブルを配線しました。

細胞・生体機能シミュレーションプロジェクトが始まったとき、 プログラミングに無縁な生物学研究者、 生理学に疎い情報学研究者がKyotoモデルを理解し、 発展させるための勉強会が始まりました。 simBioの使い方、数理モデルの記述法、 Kyotoモデルの成り立ち、それを構成する機能要素の意味などといった勉強会の内容を、 受講生がその都度テキストとして整理していくにつれ、徐々にこの本の原型が出来てきました。 今回、出版するに当たり、記述内容を一新し、整理しましたが、 各著者の個性がそれぞれの項目に反映されていることでしょう。

そもそも、Kyotoモデルが出来、プロジェクトが始まり、研究者が集い、 知識をまとめて整理する機会を与え、出版できる環境を全面的にバックアップして頂いた野間昭典教授に感謝いたします。 さらに、本書の執筆・出版にご協力頂いた方々、とりわけ京都通信社の皆様に感謝いたします。

最後に、ここまでお付合いいただいた読者の皆さんにとって、 本書が心臓生理現象のコンピュータシミュレーションを手がけるための良き道しるべとなれば幸いです。